事件の中核にいたのは、当時の自由民主党(自民党)副総裁であり、巨大派閥「経世会」の絶対的権力者として君臨していた金丸信氏だ。東京佐川急便の社長であった渡辺広康氏から金丸氏側へ渡った裏資金は、実に5億円にのぼる。しかも、この金は単なる違法な選挙資金にとどまらず、政界工作や自民党内の影響力維持のために縦横無尽にばら撒かれていた。
さらに異様なのは、その流出資金の規模と使途だ。渡辺元社長は会社資金から千数億円を超える無担保融資や保証を繰り返し、その一部が暴力団幹部のもとへと流れていた。政治資金規正法のザル法ぶりが浮き彫りになり、国会は完全に紛糾した。2026年になって改めて解明が進む当時の手記や史実からは、法規制の隙間を突き、政治家たちがどれほど奔放に闇資金を取り扱っていたかが生々しく浮かび上がる。