夜久衛輔を語る上で欠かせないのが、ロシアと日本のハーフである長身ミドルブロッカー・灰羽リエーフとの濃密な関係性です。身長2メートル近い恵まれた体躯と天性の跳躍力を持ちながら、高校からバレーを始めたリエーフはレシーブの基礎が全くできておらず、音駒のトータルディフェンスにとって最大の穴になりかねない存在でした。
そんな荒削りな後輩に対し、居残り特訓で何百本ものスパイクレシーブを浴びせ続け、徹底的に基礎を叩き込んだのが夜久でした。生意気な口を利くリエーフを蹴り飛ばしながらも決して見放さず、ブロックとレシーブの連携を身体に染み込ませていく過程は、まさに「愛の鞭」そのものです。
リエーフが試合の中でブロックの駆け引きを覚え、仲間と連動したトータルディフェンスの快感に目覚めていく背景には、常に背後でどっしりと構え、絶対にボールを落とさない夜久への絶対的な信頼がありました。