放送当時から現在に至るまで、インターネット上の掲示板やSNSでは、このキラのセリフに対して一定の批判的な言説が投げかけられてきました。特に目立っていたのが「論破されたキラの苦し紛れの絶叫」「ただの綺麗事・偽善ではないか」という解釈です。
当時の5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)や近年のYahoo!知恵袋、X(旧Twitter)等の反応を分析すると、読者層の受け止め方は大きく二分されていました。
- 否定派・クルーゼ支持派の論調:「クルーゼの言っていることの方が正論」「キラは具体的な解決策を出せず、ただ武力で口を塞いだ」「『守りたい世界』とは自分と身内だけの都合ではないか」
- 肯定派・共感派の論調:「正論で世界を滅ぼそうとする悪魔に対して、論理ではなく情動で抗うのが人間」「あの極限状態で理屈をこねる方が不自然」「矛盾を抱えながらも生きることを肯定する唯一の言葉」
この議論について、制作現場の証言は極めて明確です。監督の福田己津央氏や声優陣が当時の特番インタビュー等で語ったところによると、このシーンは「キラが正義の裁判官としてクルーゼを論破する場面ではない」ことが意図されていました。人間は間違いを犯す生き物であり、争いをやめられないかもしれない。それでもなお「今を懸命に生きている人々」の存在を否定することは誰にも許されない――。キラは自らの無力さやエゴをも引き受けた上で、目の前の生命の営みを守る意志を示したのです。