日本のパスタ文化における金字塔とも言える明太子パスタ。そのルーツは1967年、東京・渋谷の老舗パスタ店「壁の穴」にて、常連客が持ち込んだキャビアをヒントに店主が生み出した「たらこスパゲッティ」に遡ります。その後、福岡の辛子明太子文化と融合し、食感のアクセントとしてイカを加えた「イカ明太」の組み合わせは、日本独自の和風パスタとして不動の地位を確立しました。
さらに、箸で食べるスパゲッティー専門店として全国展開する「洋麺屋五右衛門」が、明太子とイカの組み合わせに卵黄や生クリーム、厳選した有明海苔、香り高い大葉を組み合わせるスタイルを定着させました。名店の厨房取材や食味分析から浮かび上がるのは、単に「明太子と麺を混ぜる」のではなく、「明太子の粒感(被膜のほぐし方)」「油脂による乳化」「イカの鮮度と加熱温度のコントロール」という3つの要素を緻密に計算して調理しているという事実です。