2ちゃんねるから始まった日本のネットカルチャー変遷を総括すると、それは「集合知とアナーキーな自由」から「個別最適化されたアルゴリズム」への移行プロセスでした。
初期の2ちゃんねるは、見知らぬ他人が同じスレッドに集まり、共通の文脈をその場で作り上げる「広場」でした。そこには自浄作用とともに、過激な私刑や誹謗中傷という暗部も共存していました。
対して現代のウェブ空間は、ユーザーの好みに応じたコンテンツが自動的にタイムラインへ流れてくる構造になっています。かつての掲示板にあった「泥臭い情報の掘り起こし」や「予定調和を壊す祭り」は鳴りを潜めましたが、2ちゃんねらーたちが培った「情報の真偽を疑うリテラシー(うそはうそであると見抜ける人でないと難しい)」や「ユーモアで物事を相対化する視点」は、デジタル社会を生き抜くための教訓として今なお重要性を失っていません。