ネットニュースでは長年「広瀬すずは裏方をバカにしている」という切り取られた論調が一人歩きしてきましたが、実際の現場を知る映画関係者や撮影クルーの証言からは、全く異なる実像が浮かび上がってきます。
騒動が起きた直後、映画『海街diary』で彼女を見出し、二人三脚で撮影を進めていた是枝裕和監督は、メディアの取材に対して彼女の資質を強く擁護していました。監督によると、広瀬すずは撮影現場において誰よりも周囲の大人たちを観察しており、重い機材を抱えて走り回るスタッフに対して「そこまでして作品に尽くす情熱の源泉」を知りたがっていたと語られています。
地方から10代前半で単身上京し、芸能界という特殊な環境に飛び込んだ彼女にとって、親世代の男性たちが汗まみれになってライトを吊り上げ、何時間もブームマイクを持ち続ける姿は、「なぜここまで他人のために人生を捧げられるのか」という純粋な畏敬と驚きだったのです。
しかし、当時のバラエティ番組特有のテンポの良いトークのやり取りの中で、語彙の未熟さゆえに「人生を削ってまで」「なぜその仕事を選んだのか」という不器用な表現に変換されてしまいました。敬意の裏返しであったはずの「素朴な疑問」が、編集と切り取りによって「傲慢な嘲笑」へと変貌してしまったというのが、現場関係者が語る失言騒動の真相です。