渋谷道玄坂の分岐点にそびえ立つ円筒形のシリンダー建築。かつては厚底ブーツやミニスカートを求めて全国から若者が押し寄せ、カリスマ店員がトレンドを牽引した空間でした。しかし渋谷109 現在 変化の深層を探ると、2019年のロゴ刷新とブランドリニューアルを契機に、明確な構造転換が行われたことがわかります。
マーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.」の調査データによると、現在の若者層における消費行動は「特定の単一トレンドへの同調」から「自分の好きな世界観(界隈)を深掘りする消費」へとシフトしています。これに伴い、施設全体のコンセプトも「モノを売る場所」から「偏愛や推しを共有する体験の場」へと大胆に舵が切られました。
現場を歩くと一目瞭然ですが、店内にはアニメ、K-POPアーティスト、人気YouTuberやVTuberと連動した渋谷109 コラボイベントの告知が張り巡らされています。館内放送や大型ビジョン、階段の装飾に至るまでビル全体が一つのエンタメ空間として連動しており、買い物目的だけでなく「空間そのものを体験し、SNSに記録・発信する」ことを目的とした来館者が大半を占めています。