『笑点』の大喜利コーナーで繰り広げられた楽太郎と歌丸の舌戦は、まさに名人芸の域に達していました。「早く死んじまえ」「香典の用意はできている」と放つ楽太郎に対し、歌丸が「お前の座布団全部持って行け!」と激怒する展開は、番組のお約束として日本中で愛されました。
あまりの辛辣さに、一時期はネットや週刊誌で「楽太郎と歌丸はガチで喧嘩している」という不仲説が浮上したほどです。しかし、当人たちは生前、この掛け合いを「阿吽の呼吸によるプロレス」と明かしています。
歌丸は自著やインタビューで「楽太郎さんは頭の回転が速いから、どんな球を投げても必ず打ち返してくれる」「あいつが罵倒してくれるから、私のキャラクターが引き立つ」と語り、全幅の信頼を寄せていました。相手の懐に飛び込んでも決して怪我をさせない、計算し尽くされた間合いと話術があったからこそ成立した、奇跡のエンターテインメントだったのです。