ファンの間で長年議論されている「夏目漱石=作中最強説」ですが、単行本やアニメの描写を客観的に精査すると、その評価が決して誇張ではないことが浮き彫りになります。作中で夏目が直接戦闘に介入した描写は極めて限られているものの、その一撃一撃が戦局を根底から覆す破壊力と説得力を持っています。
夏目の強さが最も劇的な形で映像化されたのが、テレビアニメ第3シーズンのクライマックスである第36話・第37話「共喰い」編です。ウイルスの異能によって互いの命を奪い合うよう仕組まれた福沢諭吉と森鴎外が、旧鉱山で死闘を繰り広げた現場に、夏目は突如として降臨しました。
双方の渾身の一撃が激突する刹那、夏目はステッキを一閃させただけで爆圧をかき消し、両雄の動きを完全に封じ込めました。当時、視聴者の間では「福沢と森の全力激突を一瞬で鎮圧できる人間が存在するのか」と驚愕の声が殺到しました。このシーンで声を担当した名優・大塚芳忠の低く凄みのあるバリトンボイスも相まって、夏目漱石というキャラクターの「不可侵の絶対者」としての格付けが決定的なものとなったのです。