テレビドラマ業界において、倉本聰の執筆スタイルは伝説的だ。人物の生い立ちから日常の小さな癖に至るまで、膨大な人物設定を緻密に組み上げる。飯田雪子というキャラクターもまた、完璧なヒロインではなく、時に迷い、過ちを犯す一人の人間として描かれた。
竹下は当時、知的な「お嫁さんにしたい女優No.1」としてのパブリックイメージを確立していた。しかし、倉本が与えた雪子役は、既婚男性との不倫関係に悩み、都会から逃れるように北海道へやってくるというショッキングな設定だった。清純派のイメージを覆す挑戦的な役柄だったが、竹下の深みのある演技によって、雪子は単なる悲劇のヒロインを超え、観客が自らの弱さを重ね合わせる愛おしい存在へと昇華したのだ。