SNSやファンのコミュニティで毎年散見されるのが、「地区大会で準優勝したのだからセンバツ出場は100%当確である」「秋の決勝で負けたチームが落とされたのは地域差別だ」といった誤解です。
この認識には明確な盲点が存在します。高校野球の選考規定において、一般選考枠の配分は「地域性」と「実力比較」の高度なバランスの上に成り立っています。例えば、秋季関東大会において準決勝でサヨナラ負けを喫した実力校と、東京大会で大差のコールド負けを喫して準優勝となった高校が最後の比較対象となった場合、試合内容や失点率を精査した結果、ベスト4敗退校が逆転選出されるケースは歴史上何度も起きています。
「地区大会の決勝スコアが10対0のような一方的な展開だった場合、準優勝校であっても選考委員から試合内容に疑問符が付けられることがある」というのは、高校野球報道に携わる記者にとっては周知の事実です。選考委員会はトーナメントの勝ち上がり順位だけをなぞる組織ではなく、高校野球選考基準に明記された「全国大会に相応しい実力と品位」を総合的に評価しているという構造を理解しておく必要があります。