「若者の政治離れ」という言葉は、現在の実態を正確に捉えていません。実態は政治への無関心ではなく、若者が政党支持を決める理由が「イデオロギー」から「手取りと可処分所得」という極めて切実な経済合理性へ移行した結果です。
かつて20代・30代の自民党支持率が高かった時期は、「雇用環境の安定」や「アベノミクスによる株高・就職率改善」が評価されていました。しかし、物価高に対して賃上げが追いつかず、社会保険料の継続的な引き上げが手取りを圧迫するなか、現役世代の不満は限界に達しています。裏金問題などの政治倫理に対する失望も重なり、与党への積極的支持は大きく後退しました。
この受け皿となったのが、基礎控除の引き上げやガソリン減税など、徹底して現役世代の負担減を訴えた勢力です。特に国民民主党への若者層支持は、ネットメディアを中心とした直接的な情報発信と合致し、若年層の支持率で自民党と肩を並べる、あるいは逆転する現象を引き起こしました。国家観や憲法論議よりも「今月使えるお金がいくら増えるのか」というリアリズムが、若年層の投票基準を支配しています。