政変後に彼女が身を置いたのは、世界最高峰の華やぎを誇るパリ社交界だった。ヨーロッパの王侯貴族や大富豪、映画スターが集うサロンで、彼女は「スカルノ夫人」として再び脚光を浴びる。バリ島のプライベートヴィラや地中海のクルーザーで夜な夜な繰り広げられたパーティでの彼女の立ち振る舞いは、今や伝説だ。
未公開のエピソードによれば、ハリウッドの世界的名優やヨーロッパの名門貴族たちからの求愛をことごとくかわし、自立した個として社交界の女王に君臨し続けたという。当時の親しい知人は「彼女は誰の所有物にもならなかった。バリ島での優雅な静養とパリでの絢爛豪華な宴を行き来しながら、常に自分の人生の主導権を握っていた」と証言している。