日常では性的なニュアンスが先行しがちな言葉ですが、変態の語源と由来は極めて哲学的かつ客観的な事実描写にあります。もともと「態(ありさま・形像)」が「変ずる」という文字通り、姿形や状態が通常とは異なるありさまへと移り変わる現象を指す漢語でした。
古代中国の古典『管子』や『易経』の思想体系においても、季節の移り変わりや天地自然の激しい変化を表す語として用いられていた記録が存在します。日本においてこの言葉が学術的な重みを持つようになったのは、明治時代に欧米の科学知識が流入した際、翻訳語として採用されたことが大きな転機でした。
当時、英語の「metamorphosis(変態・変身)」や「abnormal(異常・変態)」を翻訳する際、先人たちは古典からこの言葉を当てはめました。つまり、最初から性的な含みを持っていたわけではなく、自然現象や物事の劇的な変化を記述するための極めて中立的で知的な言葉だったのです。