歩くことすら覚束なくなった日々は、表現者である彼にとって塗炭の苦しみであったはずだ。一時は劇団の主宰としての業務や演出活動にも支障をきたし、自宅や施設での療養を余儀なくされた。
しかし、彼は決して諦めなかった。医師の指導のもと、服薬治療と綿密に組まれた物理療法、そしてリハビリテーションを開始。一歩を踏み出すことすら激痛を伴う過酷な試練だったが、地道なストレッチや筋力トレーニングを愚直に繰り返した。完璧な状態への回復には時間がかかるものの、リハビリの成果により少しずつ自力歩行の距離を伸ばし、車椅子に頼る頻度を減らしていくという執念の闘病生活を送っている。