かつて全国の主要駅前やショッピングモールを席巻した「むつみ屋」ですが、2026年現在、全盛期のような大規模チェーン展開は行われていません。ネット上では「完全に倒産して全滅した」という誤認も散見されますが、これは事実と異なります。事業譲渡と再編を経て規模を大幅に絞り込み、看板の味を守り抜いている現存店舗が確実に営業を継続しています。
現在、ファンにとっての確固たる拠点となっているのが、首都圏における旗艦店としての歴史を持つ神奈川県の「むつみ屋 溝の口本店」です。東急田園都市線・JR南武線が交差する溝の口駅至近で長年愛され続ける同店では、当時の記憶を呼び覚ます濃厚な白味噌・赤味噌ラーメンが連日提供されており、往年のファンから近隣のファミリー層まで幅広い客足が絶えません。また、商業施設やロードサイドで暖簾を守る一部のフランチャイズ加盟店でも、その味に触れることが可能です。
一方、かつて数多く存在したむつみ屋の東京店舗(お台場、八重洲、西新宿、中野など)の多くは、契約満了や採算見直しに伴いすでに幕を下ろしています。さらに、全ての原点であった北海道月形町の本店も、静かな歴史の役割を終えて閉店しました。しかし、拠点が限定されたからこそ、1杯にかける職人の情熱と仕込みの精度は全盛期以上の密度を保っており、単なる「懐かしの味」にとどまらない骨太な一杯として再評価されています。