食品衛生学の観点から見ると、イカの精莢による被害はアニサキスなどの「寄生虫病」ではなく、「自然毒」でもない。純粋な物理的作用による「生物学的刺傷事故」に分類される。そのため、目黒寄生虫館などに寄せられる相談の中にも「寄生虫と誤解していた」というケースが少なくない。
厚生労働省が定める食中毒統計においては、細菌や寄生虫と異なり分類上「その他の有害物質・事故」として扱われることが多い。日本水産学会などの研究機関も、精莢の物理的危険性について注意喚起を行っており、正しく下処理されたイカ肉そのものには一切の有害性がないことを提示している。