放送業界全体が直面するテレビ離れに対し、公共放送としての回答がこの選考基準の変更だった。NHKが最重要視するのは、もはや世帯視聴率だけではない。SpotifyやApple Musicにおけるチャート首位獲得数、YouTubeでのMV再生回数、そしてTikTokでの拡散力が合否を大きく分ける。
どれほど知名度が高いベテランであっても、デジタル上で「今、聴かれているか」を示す明確なデータがなければ推薦リストの上位には残れない。逆に、デビュー間もない新鋭であっても、Z世代を中心に爆発的なヒットを生み出していれば即座に白羽の矢が立つ。放送業界のリアルは、過去の義理や人情を削ぎ落とすほどにドライで現代的だ。