温浴マーケットの地殻変動を牽引しているのが、業界を代表する二大巨頭のコンセプト戦略だ。株式会社極楽湯ホールディングスが展開する「RAKU SPA」は、圧倒的なスケール感と人気アニメ・コミックとの大型コラボレーションを武器に、エンターテインメントとしての温浴体験を極限まで押し広げた。
対する株式会社温泉道場が手掛ける「おふろcafe」は、温もりあるインテリア、こだわりのカフェメニュー、そして個人の居場所感を重視した空間デザインで独自のポジションを確立している。画一的だったスーパー銭湯の概念を解体し、若者や女性が「何もしない時間」を愛おしむライフスタイル提案へと昇華させた功績は大きい。
巨大資本によるエンタメの追求と、地域密着型デザインによる情緒の深化。この両者の切磋琢磨こそが、漫画を軸にした温浴施設のクオリティを劇的に底上げしている原動力である。