報道を受けた翌日の2020年2月6日、鈴木杏樹の所属事務所は事実関係を認め、「軽率な行動があった」とする謝罪文を公表。同時に、鈴木杏樹本人による直筆署名入りのコメントも発表されました。しかし、その謝罪コメントの文言が、かえって火に油を注ぐ結果を招いてしまいます。
彼女が公表したコメントの骨子は以下の通りです。
【鈴木杏樹・謝罪コメント抜粋】「昨年10月の舞台で共演させていただいた喜多村緑郎さんと、舞台終了後に食事をご一緒する中で、今年初めにお相手から『独り身になるつもりでいる』というお話があり、お付き合いを意識するようになりました。しかし、まだご夫婦の形が続いている中で、このような軽率な行動をとってしまったことを深く反省しております」
この「独り身になるつもりだと聞いていた」という一節が、メディアやネット上で猛烈な逆風を生みました。「既婚者であることを知りながら関係を持った言い訳に聞こえる」「正式に離婚が成立していない段階で関係を進めた責任転嫁ではないか」「妻である貴城けいさんへの配慮が微塵も感じられない」といった批判が殺到したのです。
さらに世間の同情を集めたのが、喜多村の妻である貴城けいの悲痛な状況でした。報道直後、貴城けいは精神的ショックから過呼吸を起こし、急性ストレス反応で緊急入院する事態へと追い込まれました。この対比が報道番組やワイドショーで連日大きく取り上げられ、鈴木杏樹に対する風当たりは一層過酷なものとなりました。
好感度の高さを支えていた「元夫の死因」と未亡人ストーリーの反動
なぜここまで世間の失望が大きかったのか。その背景には、鈴木杏樹が過去に経験した深い喪失と、それを乗り越えてきた姿に対する大衆の強い共感がありました。
鈴木杏樹は1998年、駿河台日本大学病院の外科医であった山形基夫氏と結婚。おしどり夫婦として知られていましたが、2013年2月1日、夫が56歳の若さで急逝します。死因は内臓疾患(肝疾患に伴う合併症)の悪化による手術直前の急変でした。夫の危篤と逝去が重なる極限状態の中、鈴木杏樹は司会を務めていた情報生番組『ZIP!』の生放送を気丈にやり遂げ、その直後に病院へと駆けつけたエピソードは広く知られています。
悲劇に見舞われながらも健気に生きる「気品ある未亡人」という尊いイメージが定着していたからこそ、他人の家庭を壊しかねない不貞行為に走った事実が、ファンの心に大きな落差と裏切り感を生んでしまったのです。