まずは和歌の全文と現代語訳、作者の基本プロフィールを確認します。
【和歌】
春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
(はるすぎて なつきにけらし しろたえの ころもほすちょう あめのかぐやま)
【現代語訳】
いつの間にか春が過ぎ去って、もう夏がやって来たらしい。(夏になると)真っ白な衣を干すという、あの神聖な天の香具山に(いま白い衣が真っ青な緑に映えて干されているのを見ると)。
作者は第41代天皇である持統天皇(じとうてんのう)です。天智天皇の娘であり、天武天皇の皇后として夫を支え、夫の没後は自ら即位して日本初の本格的な条坊制宮都である「藤原京」の造営を成し遂げた傑出した指導者でした。百人一首の第1番に選ばれている天智天皇(「秋の田の〜」)の娘にあたり、百人一首の冒頭は父娘のリレーで幕を開けています。