徳勝もなみは、地元の名士として知られる弁護士の父親と、教育熱心で人望の厚かった母親のもと、裕福な家庭環境で育ちました。幼少期から学業優秀でスポーツにも長けており、小学校時代はスピードスケート選手として全国大会に出場するなど、文武両道の才女として知られていました。
しかし、家庭内では幼少期から小動物の解剖を行うなど特異な行動傾向が見られていました。そうした特異性を精神面で受け止め、厳しくも温かく手綱を握っていたのが実母でした。その母親が2013年10月にすい臓がんにより急逝したことで、歯車が一気に狂い始めます。
母親の一周忌も待たず、父親は2014年5月に別の女性と再婚。加害者はこの再婚に激しく反発し、家庭内での孤立を深めました。同年3月には就寝中の父親を金属バットで殴打し、頭蓋骨骨折の重傷を負わせるという重大な家庭内暴力事件を起こしています。
父親はこの事態を受け、精神科医への相談や児童相談所への連絡を試みたものの、最終的には「同じ家には住めない」として高校入学に合わせてマンションを借り与え、1人暮らしをさせるという隔離措置を選択しました。この孤立無援の環境が、犯行への抑止力を完全に失わせる決定打となったと指摘されています。
事件発覚から約3か月後の2014年10月、父親は自宅で自ら命を絶ちました。遺書には被害者遺族への深い謝罪と苦悩が綴られていたと報じられており、家族全体の崩壊という悲劇的な結末を迎えました。