2012年、T-BOLANは再結成を果たし、ファンの前に帰ってきた。ステージ上で彼が「離したくはない」を歌い始めた瞬間、会場全体が涙と歓声に包まれたのは伝説的なエピソードだ。かつてのハイトーンの伸びやかさに加え、人生の深みと傷を越えてきた者にしか出せない圧倒的な深みが、その歌声には宿っていた。
現在でもこの名曲は、単なる90年代のノスタルジーにとどまらず、Z世代をはじめとする若い層のストリーミングやSNSでも再び評価されている。人生の土壇場を潜り抜けてきた彼の人生そのものが楽曲の背景に重なり、世代や時代を超えた説得力を生み出しているからにほかならない。