一般的に哺乳類の寿命は「体のサイズ」に比例する傾向があり、体が小さいほど心拍数が多く短命になります。ところが、コウモリはこの生物学的法則から大きく外れた特異な存在です。
日本国内で最も身近なアブラコウモリ(通称イエコウモリ)の寿命は、メスで約3〜5年、環境が良ければ10年以上生きるケースも確認されています。一方でオスは短命で1〜3年ほどと、性差による寿命の違いが顕著です。メスは集団で暖かいコロニーを形成してエネルギーを温存しやすいため、生存率が高まる傾向にあります。
大型種に目を向けると、熱帯や亜熱帯に生息するオオコウモリの寿命は野生下で15〜20年、飼育環境下では30年以上に達することもあります。さらに、世界最小クラスの食虫性コウモリである「ブラントコウモリ」では、体重わずか4〜8グラム程度でありながら41年以上生存した個体がコウモリの寿命ギネス記録として学術的に記録されています。これは人間のスケールに換算すると100歳を遥かに超える超長寿です。