組体操という種目は、集団での連帯感や達成感、仲間への信頼関係を育む教育的意義が長年語られてきました。しかし、社会構造の変化とともに、学校教育におけるリスクマネジメントの責任はより厳格に問われるようになっています。「感動」や「伝統」のために子どもの身体的安全を犠牲にすることは、いかなる理由があっても正当化されません。
学校やクラブチーム、表現指導の現場において、サボテンなどの高難度技を取り入れるべきか否かを判断するための明確な基準を提示します。
【実施を検討してもよい条件】
- 芝生や厚手のウレタンマットなど、万が一の落下に耐えうる衝撃吸収設備が整っていること。
- 児童・生徒1ペアに対して専属の補助者が最低1名以上配置でき、即座にキャッチできる体制があること。
- ペアの体格差、体幹バランス、筋力測定を行い、医学的・運動学的に無理のないマッチングが完了していること。
- 児童・生徒本人が技の構造を理解し、恐怖心なく自発的に取り組む意思を示していること。
【即座に中止・回避すべき状況】
- 校庭の硬い土やアスファルト上で、マットや補助者なしに練習を行おうとしている状況。
- 土台の肩や首に強い痛みや内出血が生じており、「我慢」を強いる空気がある場合。
- 学年全体の一括指導で、個々の筋力や習熟度を無視して一斉に立ち上がらせる指導形態。
- 「運動会本番の見栄え」を優先し、降下訓練や失敗時の回避手順が省かれている場合。