SNSやネット掲示板を定期的に騒がせるのが、「チョコモナカジャンボは昔に比べて小さくなったのではないか」というステルス値下げ(シュリンクフレーション)を疑う声だ。物価高騰の波があらゆる加工食品のサイズを削り取っていく中、消費者が疑心暗鬼になるのも無理はない。
しかし、取材検証の結果、この噂は「完全な事実無根」であることが判明している。1996年に商品名へ「ジャンボ」を冠して内容量を大幅刷新して以来、内容量は一貫して「150ml」のまま一度たりとも減らされていない。3×6=18山のアイコニックなブロック構造も完全に維持されている。
小さくなったと感じる背景には、人間の知覚心理が関係している。子どもの頃に両手で抱えるようにして食べた巨大な記憶が、大人になって手のひらサイズに収まるようになったことで生じる認知的ギャップだ。さらに、近年の猛烈な原材料コスト上昇下において、同業他社が容量を10〜15%削減するなか、森永製菓はあえて「サイズを削らない」選択を貫いてきた。
その代わり、同社は希望小売価格の改定を段階的かつ誠実に公表してきた。かつての税抜130円時代から、140円、150円、160円、そして近年の原材料費・物流費高騰を反映した170円台へと改定を重ねている。サイズを削って顧客を欺くのではなく、「ジャンボ」というブランドのアイデンティティを守るために適正価格を提示する。この愚直な姿勢が、長期的にはブランド価値の毀損を防いでいる。