どんなにスープや具材を極めても、麺のコンディションを外してしまえばすべてが台無しになります。ラーメンの麺の茹で方で失敗しない理由を科学的に見ると、「熱湯の熱容量」と「表面デンプンの糊化(こか)」に行き着きます。
家庭で麺がボソボソになったりベチャついたりする主因は、湯量の不足による投入直後の温度低下です。麺1玉(約130〜150g)に対して、必ず2.5リットル以上の熱湯を用意し、常に完全沸騰を維持する必要があります。麺を投入する直前に手で優しく揉みほぐし、パラパラと散らすように湯の中へ落とします。
茹で上げの際は、表示時間の10〜15秒前に硬さを確認します。そして最も重要なのが「湯切り」です。平ザルや深型テボ(振りザル)を引き上げたら、手首のスナップを利かせて鋭く3〜4回振り下ろし、麺の表面に残った余分な茹で湯を徹底的に弾き飛ばすこと。湯切りが甘いと、麺の周りの水分がかえしを薄め、油のコーティングを阻害してしまいます。鋭い湯切りこそが、スープを力強くリフトアップする喉越しの源泉です。