さつまいもの中が赤いのは食べられる?原因と危険な見分け方を解説

さつまいもの中が赤いのは食べられる?原因と危険な見分け方を解説

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包丁を入れた瞬間に広がる赤みを目にすると、どうしても鮮度劣化を疑ってしまいがちです。しかし、植物生理学や農業研究機関の知見を紐解くと、さつまいもの中身がピンク色になる原因の多くは自然現象によるものであると分かります。

最も代表的な要因が、皮周辺に豊富に含まれる抗酸化物質「アントシアニン」の内部浸透です。さつまいもが持つアントシアニンの赤みは、急激な寒暖差や土壌環境、あるいは収穫後の追熟ストレスによって、外皮から内部の導管へと移行することがあります。特に皮に近い外周部がうっすらとピンク色に染まる現象は、紅はるかやシルクスイートといった人気品種でも頻繁に確認される生理現象です。

もう一つの決定的な要因が、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸の酸化です。切断面が空気に触れると、細胞内のポリフェノールオキシダーゼ(酸化酵素)が働き、数分から数十分の間にさつまいもの断面が赤褐色や黒ずんだ色調へと変色していきます。リンゴを切った後に茶色くなる現象と全く同じメカニズムであり、人体への害は一切ありません。

さらに見逃せないのが、品種固有の遺伝的特性です。さつまいもの中が赤い品種として知られる「ハロウィンスイート」はカロテンとアントシアニンを併せ持ち、中身が鮮やかなオレンジから赤みを帯びた色合いを呈します。紫芋系統の血を引く品種では、果肉全体に微細な赤紫の斑紋が散りばめられていることも珍しくありません。農林水産省の品種登録情報でも、肉色が白や黄色だけでなく、淡赤や紫に分類される個体群が公式に定義されています。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。