検索窓に「トルコ 中東ですか」と打ち込む人の多くは、旅先の文化やニュースの文脈で違和感を覚えた経験があるはずです。イスラム教徒が多数派を占めるため中東のイメージが強い反面、サッカーの欧州選手権(ユーロ)に出場し、街角には洗練されたヨーロッパ調のカフェが立ち並ぶ風景があるからです。
トルコの地域分類が人によって真っ二つに分かれる決定的な理由は、「地理的区分」「国際機関の枠組み」「歴史・国民意識」という3つの尺度が互いに衝突しているからにほかなりません。
地理学的な厳密さで言えば、国土面積の約97%はアジア側(アナトリア半島)に属し、残る約3%のみがヨーロッパ側(東トラキア地方)に位置します。この数字だけを見れば「アジア(西アジア=中東)の国」と断定できるように思えます。しかし、残る3%の土地には国内最大都市イスタンブールの中枢が含まれ、人口の15%以上(約1,500万人規模)が集中しています。さらに1923年の建国以来、国家の基本方針として「徹底した西欧化」を歩んできた歴史が、単なる地理的分類を無効化させているのです。