このホテルの神髄を最も雄弁に物語るのが、レストランで供される朝の食卓だ。一般的なホテルの「北海道産」という大雑把な括りとは一線を画す。皿に並ぶのは、「どの町の、誰が育てた何なのか」が明瞭な食材ばかりだ。
日高の浦河町から届いた極上の魚介、十勝の肥沃な大地で育まれた根菜、オホーツク沿岸の滋味深い乳製品。北海道全179市町村との太いパイプを持つ組織が運営母体だからこそ実現できる、中間流通を排した産直食材の鮮度と力強さは圧巻というほかない。シェフの手仕事も素材の持ち味を壊さず、出汁の引き方一つから丁寧さが染み渡る。朝の一食が、そのまま北海道のマイクロツーリズムへと昇華している。