大人の俳優・加藤清史郎の真価が広く一般層に知れ渡る契機となったのが、2021年に放送されたTBS日曜劇場『ドラゴン桜2』における天野晃一郎役でした。優秀な弟と比較され、極度の劣等感と自信喪失に苛まれる高校生という難役に挑みました。
劇中で見せた、自分を押し殺した怯えた表情から、勉強を通じて少しずつ自己肯定感を獲得し、力強い眼差しへと変化していくプロセス。その感情のグラデーションの表現は、視聴者のみならず多くのドラマ評論家から「卓越したリアリズム」と激賞されました。かつての「こども店長」のイメージを完全に払拭し、若手屈指の演技派であることを決定づけた瞬間でした。
映像作品での確固たる評価と並行して、彼の主戦場となりつつあるのが本格的な舞台・ミュージカルの世界です。
ブロードウェイミュージカル『ニュージーズ』では、躍動感あふれるダンスと伸びやかな歌唱力で客席を圧倒。舞台『千と千尋の神隠し』では、神秘性と気品が求められるハク役をオーディションで射止め、ロンドン公演を含めた大舞台で見事な役作りを披露しました。帝京ロンドン学園時代にウエストエンドで育んだ演劇への情熱が、今まさに帝国劇場や海外の舞台上で結実しています。