全8シリーズに及んだ大河ドラマの終着点となった『はみだし刑事情熱系 最終章』のフィナーレ。本作が他の刑事ドラマと決定的に一線を画していたのは、高見兵吾、根岸玲子、そして前田愛が演じた娘・みゆきの「血縁と戸籍を超えた家族の絆」に最終的な決着をつけた点にあります。
みゆきは当初、玲子の娘として登場しますが、物語が進むにつれて兵吾との実の父娘関係が明かされ、思春期の葛藤や反発を乗り越えながら信頼関係を築いていきました。最終回では、過酷な事件を解決した後、兵吾は広域特別捜査隊を去り、一人の男として新たな道を歩み始めます。玲子とみゆきに見送られながら背中を向けて歩き出す兵吾の姿は、単なる職務上の別れではなく、それぞれの自立を認めた大人の愛情の形として描かれました。
放送当時のネット掲示板や現在のSNSにおける反響を調査すると、結末に対する評価は極めて高い水準を維持しています。
「単にヨリを戻してハッピーエンドにするのではなく、お互いの人生を尊重して別々の道を歩む結末に涙が止まらなかった」「みゆきが兵吾を『お父さん』ではなく、最後まで独自の距離感で呼び続けたリアリティに作り手の矜持を感じた」など、安易なメロドラマに逃げなかった脚本への賛辞が目立ちます。平成の刑事ドラマでありながら、多様化する現代の家族のあり方を先取りしていたといえます。