重厚なシルバー925のリンクに彫り込まれたクロスやフローラルモチーフ、そしてその中央に鎮座するロレックスのオイスターケース。一見すると両ブランドによる夢のダブルネーム企画に思えますが、ロレックス社とクロムハーツ社が公式に共同開発・契約を結んだコラボレーションモデルではありません。
その成り立ちは、クロムハーツの創業者であるリチャード・スターク氏が、自身や親しい友人のために私物のロレックスのブレスレットをシルバーで特注加工したことに端を発します。卓越した彫金技術と重厚なゴシックデザインが時計愛好家の間で口コミ的に広がり、やがてクロムハーツ直営店でロレックスの純正ケースを組み込んだウォッチブレスとして正式に展開されるようになりました。
つまり、ロレックス社が公式に承認した製品ではなく、クロムハーツが独自にロレックスの本体を調達(または顧客持ち込み)し、専用ブレスレットを誂えた贅沢なアートピースというのが業界の厳然たる事実です。このアナーキーかつラグジュアリーな背景こそが、ストリートとハイエンドが交差する独自の熱狂を生み出す源泉となっています。