メディア人間としてのキャリアの幕開けにおいて、彼は映像表現の極限を模索していた。映画制作の現場に身を置き、情熱のすべてをフィルムに注ぎ込んでいた時期がある。そこで培われた人間観察の視線は、のちの取材姿勢に決定的な影響を与えた。
特に注目すべきは、清水邦夫と共に監督を務めた異色の作品、ドキュメンタリー映画的アプローチと前衛ドラマが交錯する『あらかじめ失われた恋人たちよ』だ。桃井かおりや石橋蓮司ら豪華キャストを起用し、時代の混迷と若者の閉塞感を切り取った表現は、当時の映画界に強烈なインパクトを与えた。
カメラのレンズ越しに時代の歪みを暴き出す手法は、まさに若き日の挑戦そのものであり、過激さとリアリティを追求する表現者としての原点がここにあった。