ネット上の情報やSNSでは「高級時計は資産になる」という言説が散見されますが、20万円腕時計リセールバリューの実態については冷静な認識が必要です。
ロレックスやパテック・フィリップのような一部の投機的プレミアムモデルを除き、20万円台の時計における買取率は一般的に定価の30%〜45%前後が相場です。タグ・ホイヤーやグランドセイコーのように中古市場の流動性が極めて高いブランドであっても、「買値より高く売れる」ことは基本的にありません。この価格帯の時計は、資産運用としてではなく「実用品としての費用対効果」で評価すべきです。
さらに見落とされがちなのが、機械式自動巻きメンズ時計に不可欠なオーバーホール(分解清掃)の維持費です。4〜5年ごとに約3万〜5万円のメンテナンス費用が発生します。「維持費を抑えて正確な時間を刻み続けたい」のであればグランドセイコー等の高精度クォーツを、「機械への愛着とクラフトマンシップを味わいたい」のであればハミルトンやチューダー等の機械式を選ぶという明確な切り分けが、将来の後悔を防ぎます。