魚料理のハードルを押し上げる「三枚おろし」ですが、中羽〜大羽いわしであれば包丁を使わずに親指だけで手開きが可能です。刃物で細胞を無理に押し潰さないため、身割れを防ぎ、ジューシーな肉質を保てるメリットもあります。
調理現場で徹底されている手開きの基本手順は次の通りです。
- 頭と内臓の除去:頭を落とし、腹側に浅く切り込みを入れて内臓をかき出します。このとき、冷水(薄い塩水がベスト)で腹腔内の黒い膜(血合い)を指でこすり落とすことが臭み防止の絶対条件です。
- 親指の差し込み:中骨の上に親指を差し込み、頭側から尾に向かって骨に沿わせるように指を滑らせます。身を無理に引っ張らず、中骨から身を優しく剥がす感覚を保ちます。
- 中骨の取り外し:尾の付け根で中骨を折り、尾側から頭側に向かって中骨を持ち上げるように剥がし取ります。
- 背びれのカット:最後に背びれの硬い部分と腹骨の先端をキッチンバサミや包丁で軽く削ぎ落とせば下処理は完了です。
「小骨が気になって子どもや高齢者が食べにくい」という悩みに対しては、加熱時の蒸し焼き工程が威力を発揮します。中骨さえ取り除いておけば、腹周りの細い小骨はフライパンに酒大さじ1を回し入れ、蓋をして弱火で約2分間蒸し焼きにするだけで、繊維がほぐれて骨まで気にならない柔らかさに仕上がります。