この園の美しさを語る上で、日本のばら育種界の巨人であり「ミスターローズ」と称された鈴木省三の存在を外すことはできない。かつて園の設計と品種収集に心血を注いだ彼の情熱は、今も息づいている。皇室ゆかりの気品ある名花「プリンセス・ミチコ」や、国際コンクールで金賞を受賞した歴史的名品種が、当時の息吹そのままに大切に保存・展示されている。
単に品種の数を競うのではなく、花の色や樹形、開花時期の微妙なズレまで緻密に計算された配置は、訪れる者の視線移動を飽きさせない。花壇の縁石の高さや通路の幅に至るまで、車椅子利用者や小さな子ども連れでも間近でバラを愛でられるバリアフリー構造が徹底されている点も、長く愛される大きな要因だ。