奈良の山村で育った彼女の運命を決定づけたのは、映画監督の河瀨直美との衝撃的な出会いだった。地元で靴を洗っていた少女の眼光にただならぬものを感じ取った監督は、映画『萌の朱雀』の主演に大抜擢。素人同然の少女が見せたナチュラルな存在感は、1997年カンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)をもたらし、世界にその名を知らしめた。
10年後の2007年には、再び二人がタッグを組んだ『殯の森』が同映画祭でグランプリを受賞。世界の映画人を感嘆させたのは、作り込まれた演技ではなく、過酷な自然と同化しながら生きる圧倒的なリアリティだった。ヒューマンドラマの真髄を身体で学んだこの初期の経験こそが、彼女の役者魂のバックボーンとなっている。