現代の麺文化において、最も頻発している誤認が「単に生煮えで硬い麺=コシがある(しこしこしている)」という混同です。
大手クチコミサイトやSNS上の実態調査を検証すると、「茹で時間を短縮しただけの芯が残ったボキボキ麺」を「コシが強い」と評してしまうレビューが散見されます。しかし、製麺関係者や麺職人はこの風潮に警鐘を鳴らし続けています。
讃岐うどんの老舗麺匠が語る手記や技術解説によると、本物のコシとはデンプンが完全にアルファ化(糊化)した上で、冷水で一気に締められることで発現する粘弾性です。茹で足りない麺は、デンプンが未糊化(ベータデンプンのまま)で消化が悪く、硬直しているに過ぎません。
噛んだときに「ポキッ」と折れるような硬さは「硬質(Hardness)」であって「しこしこ(Springiness / Resilience)」ではありません。押し返しながらも最終的にはしなやかに千切れる弾力こそが、プロが認める本物のしこしこ感です。