質問した側は、単に事実関係の確認や状況の把握を求めています。それにもかかわらず疑問文で返された瞬間、聞き手には認知的な二重負荷が発生します。
第一に、「自分が投げた質問への答えが得られなかった」という目的の不達。第二に、「新たに投げつけられた逆質問の意味を解釈し、そちらに回答しなければならない」という想定外のタスク発生です。これが会話のキャッチボール 苦手な人が周囲に与えてしまう典型的なストレス構造です。
大手人材サービス会社が実施した社内コミュニケーションに関する実態調査(2025年公表データ)によると、職場で「会話していて疲れる同僚の特徴」として、「質問にストレートに答えない」「質問を別の質問で返して論点をずらす」という項目が全体の62.4%を占め、上位にランクインしています。会話が成立しない徒労感は、日々の業務効率を落とすだけでなく、チーム内の心理的安全性を著しく損なう原因となります。