昭和21年1月1日、官報号外として公布された詔書の正式名称は「新日本建設に関する詔書」です。メディアや世間では「人間宣言」という通称が定着していますが、公文書のタイトル自体に「人間」という言葉が冠されているわけではありません。
この詔書の最大の核心とされるのが、天皇と国民の結びつきについて述べた以下のくだりです。
「朕ト爾等国民トノ間ノ紐帯ハ、終始相互ノ信頼ト敬愛トニ依リテ結バレ、単ナル神話ト伝説トニ依リテ生ゼルモノニ非ズ。天皇ヲ以テ現御神(あきつみかみ)トシ、且日本国民ヲ以テ他ノ民族ニ優越セル民族ニシテ、延テ世界ヲ支配スベキ運命ヲ有ストノ架空ナル観念ニ基クモノニモ非ズ」
ここで昭和天皇は、天皇を「現人神(あらひとがみ=現御神)」と見なすこと、また日本人が他民族に優越して世界を支配する運命にあるとする思想を「架空ナル観念」と断定し、公式に退けました。戦前の国家神道体制下で神聖視されてきた天皇観を自ら否定した瞬間でした。