RIP SLYMEの活動に最初の暗雲が立ち込めたのは、2017年4月に報じられた元メンバー・SUのプライベートスキャンダルでした。この騒動を契機にグループは露出を激減させ、2018年10月には公式サイトが突如閉鎖。事実上の活動休止状態へと追い込まれます。当時、メディアや世間の多くは「SUの不倫騒動によるグループ連座の活動休止」と受け止めていました。
しかし、水面下で起きていた事態は全く異なる様相を呈していました。リップスライム PES 脱退理由の真相は、スキャンダルよりも遥かに根深いグループ内部のパワーバランスと人間関係の破綻にあったのです。公式発表が曖昧なまま時間が経過するなか、PES自身はすでに2017年9月の段階でグループを脱退していました。
PESが脱退を決意した背景には、制作環境における孤立と、メンバー間で長年にわたり蓄積された精神的摩擦が存在します。グループのヒット曲においてサビのキャッチーなメロディやフックの多くを手掛け、音楽的支柱を担っていたPESに対し、グループ運営や意思決定の場では正当なリスペクトや対等な対話の機会が奪われていたとされています。何度も改善を求め、対話のテーブルに着こうと試みたものの、状況が変わることはありませんでした。耐え難い孤立と心理的プレッシャーの果てに選んだのが、「脱退」という退路だったのです。