ネット上のQ&Aサイトや知恵袋を見ていると、「ウェルカムスピーチでカンペを見るのは失礼にあたるのか?」という論争がいまだに繰り返されています。しかし、ブライダル現場の第一線に立つ現役ウェディングプランナーへの取材では、全く異なる結論が示されています。
「緊張で完全にフリーズしてしまい、高砂で数十秒沈黙が続くことこそが、新郎新婦にとってもゲストにとっても最も避けたい事態です。丁寧にお洒落なメッセージカードへ清書したメモを用意し、『緊張しやすい性格のため、感謝の気持ちを取りこぼさないよう手紙を書いてまいりました』と前置きして広げれば、失礼どころか非常にスマートで誠実な印象を与えられます」(都内ゲストハウス支配人談)
つまり、結婚式ウェルカムスピーチカンペ持ち込みは現代において完全に容認されており、むしろ推奨されるリスクヘッジです。ただし、スマートフォンの画面をスクロールしながら読む行為や、ポケットからシワシワのルーズリーフを取り出す行為は格式を損なうため厳禁。高級感のある台紙やポストカードに手書きしておく配慮が欠かせません。これこそが正しい新郎ウェルカムスピーチカンペの作法です。
もうひとつの重要な盲点が、ウェルカムスピーチ忌み言葉NGの取り扱いです。現代の結婚式はカジュアル化が進んでいるとはいえ、年配の親族や主賓は依然として言葉遣いに敏感です。知らず知らずのうちに口にしてしまいがちなフレーズには細心の注意を払いましょう。
- 別れ・破滅を連想させる言葉:「別れる」「切れる」「離れる」「終わる」「失う」「冷める」
(言い換え例:「終わり」→「結び」、「披露宴が終わる」→「お開きの時間を迎える」) - 再婚・不吉を連想させる重ね言葉:「度々(たびたび)」「重ね重ね」「くれぐれも」「ますます」「再び」
(言い換え例:「重ねて御礼申し上げます」→「深く御礼申し上げます」) - 衰退を連想させる言葉:「忙しい(亡を含む漢字)」
(言い換え例:「ご多忙のところ」「おいそがしい中」と平仮名表現を意識)
特に結婚式当日は「お忙しい中」と言ってしまいがちですが、冒頭の挨拶では「ご多用の中、ご列席賜り」と言い換えるだけで、知的な品格が宿ります。