従来の春夏秋冬という大まかな区分にとどまらず、15日ごとに表情を変える「二十四節気」を献立の軸に据える手法が話題を集めている。立春の芽吹き、白露の朝もや、大雪の澄んだ空気感。料理長が表現するのは、単なる食材の鮮度ではなく、その瞬間ごとの空気そのものだ。
皿の上に並ぶのは、全国各地の有機農家から毎朝届く無農薬野菜や、限られた水域でしか揚がらない天然魚介。決まったお決まりのレシピは存在しない。その日の気温や湿度、届いた食材の状態に合わせて調理法を繊細に調整するため、一期一会の味わいが生まれる。この徹底したこだわりが、リピーターを飽きさせない最大の原動力となっている。