SNSやネット掲示板、Yahoo!知恵袋などに寄せられている生々しい報告を分析すると、接触の手口には極めて一貫したプログラミングが存在することが分かります。
多くの被害事例では、ある日突然、見知らぬ外国人からのメッセージが届くことから始まります。文面は「こんにちは、以前お会いした方でしょうか?」「アシスタントが間違えて登録してしまったようです」「友達になりませんか?」といった、一見すると無害な人違いを装うものが大半です。日本語が流暢である場合もあれば、不自然な機械翻訳調であるケースも見受けられます。
また、マッチングアプリやInstagram、X(旧Twitter)で知り合い、親密なメッセージを数回やり取りした直後に「アプリは滅多に見ないのでLINEに移行したい」と誘導されるケースも典型的なパターンです。詐欺グループがマッチングアプリからLINEへの誘導を急ぐ理由は明確で、運営企業の監視や通報によるアカウント凍結を免れ、1対1の密室空間でマインドコントロールを仕掛けるためです。
会話が数日から数週間続くと、相手は徐々に「叔父が金融の専門家で確実に利益を出している」「将来の2人の生活のために投資を始めよう」と、本丸である投資勧誘詐欺の危険な牙を剥き出しにします。最初は数万円の入金で数十%の「架空の利益」を画面上で見せ、少額の出金を成功させて信用させた後、数百万〜数千万円単位の資金を偽の取引所に振り込ませて音信不通になる――これがいわゆる「豚殺し(ピッグ・ブッチャリング)」の残酷な結末です。