本作が放送期間を通じて熱烈な支持を集め続けた最大の原動力は、隅々まで血の通ったキャスト陣のキャスティングと緻密な人間相関図にあります。寅子の学友である山田よね(土居志央梨)、桜川涼子(桜井ユキ)、大庭梅子(平岩紙)、崔香淑(ハ・ヨンス)の5人が織りなす関係性は、単なる仲良しグループではなく、生い立ちや階層、国籍の違いを抱えながら互いの尊厳を認め合う連帯の姿を提示しました。
特に、男装の弁護士として法の理不尽に怒りを燃やし続けた山田よね役の土居志央梨には、SNS上で「よねさん」が毎日のようにトレンド入りするほどの熱烈なファンベースが形成されました。また、家庭裁判所創設に情熱を傾けた多岐川幸四郎役の滝藤賢一、後に寅子の再婚相手となる星航一役の岡田将生など、男性登場人物たちも単なる味方や敵という二元論に収まらない、多面的な魅力を持つ存在として描かれました。
インターネット上の掲示板やSNSでは、「これまでの朝ドラにあった『都合のいい救済』がない」「家父長制や民法の不条理を誤魔化さずに描写している」という絶賛の声が相次ぎました。語りを担当した尾野真千子の抑制の効いたナレーションも、時に登場人物の心情を客観化し、時に視聴者と同じ目線で怒りや悲しみを共有する見事なナビゲーターとして機能していました。