北欧パン全店閉店の真相と現在|ドンク譲渡の裏側と2026年の味の行方

北欧パン全店閉店の真相と現在|ドンク譲渡の裏側と2026年の味の行方

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2021年12月21日、小田急電鉄と株式会社ドンク(兵庫県神戸市)から発表されたプレスリリースは、パン業界に大きな衝撃を与えました。小田急電鉄が保有する北欧トーキョーの全株式を直営店舗の営業終了後にドンクへ譲渡するのではなく、「北欧トーキョーの一部店舗資産および事業用資産をドンクへ譲渡する」という枠組みが選択されたためです。

このスキームの背景には、老舗ベーカリーとして全国展開するドンクの高い技術力とブランド力を活かし、小田急沿線の駅商業価値を維持したい小田急電鉄側の思惑と、首都圏の駅ナカ優良立地を一挙に獲得したいドンク側の利害の一致がありました。報道関係者の取材によると、完全子会社化による丸抱えではなく事業譲渡という形式をとったのは、累積赤字や過剰設備を切り離し、収益性の見込める拠点のみを効率的に引き継ぐ狙いがあったと分析されています。

事業譲渡の対象となったのは、旧北欧トーキョーの店舗のうち約10店舗程度でした。ドンクはこれらの拠点を改装し、自社の新ブランド「D’rêve(ディグラフ)」や、おなじみの「DONQ EDIT(ドンク エディット)」などへと業態転換を進めました。

ここでファンの間で生じた誤解が、「ドンクがHOKUOの看板やレシピを引き継いで営業を続けるのではないか」という期待でした。しかし、ドンクに引き継がれたのはあくまで店舗用スペースや設備、一部の雇用基盤であり、「HOKUO」という商標や独自レシピの公式な継承は行われませんでした。惜しまれつつも、首都圏の「HOKUO」という暖簾はこの事業譲渡をもって完全に幕を下ろすこととなったのです。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。