大手進学塾の進路指導責任者や、公立中学校の現場教員、そして実際に受験を突破した生徒・保護者への徹底取材からは、公式発表の募集要領には載らない生々しい実態が浮かび上がります。
「中学によって評定のつき方に明らかな『格差』があるのは公然の秘密です」と語るのは、阪神間の大手塾室長です。
「文教地区とされる特定の中学校では、生徒の学力レベルが高すぎるがゆえに、実力テストで平均点+30点を取っても主要教科の評定が『4』止まりになるケースが多発します。一方で、学力分散の広い地域の中学校では、同等の実力で軽々と『5』がつく。絶対評価が導入されて久しいとはいえ、教員側の主観や学校間の温度差による内申格差は解消されておらず、保護者のやり場のない怒りは毎年ピークに達しています」
SNSや知恵袋等のコミュニティ上でも、受験生たちの切実な告白が溢れています。
「模試ではA判定なのに、副教科の内申がボロボロで第1志望の出願を学校から止められた」「通知表の体育が『3』だったせいで、当日点を他人の誰よりも取らなければならないプレッシャーで胃が痛い」といった声は、兵庫の受験生にとって日常茶飯事のリアルです。
さらに現在、進路選択に激震を与えているのが兵庫県公立高校の再編統合に関する最新ニュースです。少子化に伴い、県教委は各地の県立高校を複数統合する基本計画を着々と推進しています。統合対象となった伝統校では志願者が敬遠して倍率が急落する一方、存続が決まった拠点校や新設コースに志願者が殺到する「志願者の偏在現象」が起きています。自校の母校が卒業後に消滅するかもしれないという心理的不安は、多感な受験生の出願動向に無視できない影を落としています。