駅伝の勝敗を大きく左右する前半の主要区間では、幾度となくファンの度肝を抜くスペクタクルが繰り広げられてきました。各エースが集う「花の2区」と、険しい天下の険に挑む「5区山登り」のドラマを振り返ります。
花の2区における歴代区間記録のトップに君臨するのは、東京国際大学のイェゴン・ヴィンセント選手がマークした1時間05分49秒です。権太坂やラスト3kmの激坂「戸塚の壁」を平然と駆け抜けた走りは、従来の常識を根底から覆しました。日本人歴代最速争いにおいても、吉居大和選手(中央大)が1時間06分22秒、近藤幸太郎選手(青山学院大)が1時間06分24秒をマークするなど、かつてメクボ・モグス選手(山梨学院大)が打ち立てた1時間06分04秒に迫る異次元のタイムが続出しています。
一方、過酷な標高差約800mを駆け上がる5区山登りの歴代記録でも、地殻変動が起きました。歴代「山の神」と呼ばれる名ランナーたちの記録推移を比較すると、時代の変遷が鮮明に浮かび上がります。
コース距離の再編(2017年より20.8km)を経た現代において、城西大学の山本唯翔選手は2年連続で区間記録を更新。急勾配をものともせずピッチを刻み続け、前人未到の1時間09分14秒をマークしました。山登りは単なる根性論から、心拍コントロールと高効率なフォームを追求するハイパフォーマンスの舞台へと進化を遂げています。