熱が上がったり下がったりする理由とは?大人・子供の受診目安と潜む病気

熱が上がったり下がったりする理由とは?大人・子供の受診目安と潜む病気

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臨床の現場や医療相談窓口には、検査上の数値に異常が出ないまま体温の乱高下に苦しむ患者たちの悲痛な証言が日々寄せられています。総合内科を受診した30代のIT関連企業勤務の女性は、問診で次のように手記を語っています。

「朝の検温では36.6度の平熱なのに、出社して重要なプレゼンや打ち合わせが近づくと体がカーッと熱くなり、測ると37.8度まで上がっていました。病院で血液検査を受けても白血球数もCRP(炎症反応)も完全な正常値。『気のせい』『精神的なもの』と片付けられ、周囲には仕事をサボっているのではないかと疑われ、出口のない孤立感に追い詰められていました」

この患者が苦しんでいた病態こそが、自律神経の乱れ発熱詳細まとめとして近年医学界でも認知が広がっている「心因性発熱(機能性高熱症)」です。感染症による発熱はマクロファージなどが産生するサイトカインが視床下部を刺激して熱を作りますが、心因性発熱は心理的ストレスや過度の交感神経緊張が引き金となり、ノルアドレナリンを介して褐色脂肪細胞で直接熱が産生されます。

心因性発熱には以下のような決定的な臨床的特徴があります:

  • ロキソニンやアセトアミノフェンなどの一般的な解熱鎮痛剤を服用しても体温がほとんど下がらない。
  • 過度の精神的緊張や過労のピーク時に熱が急上昇し、リラックス時や休日の朝には平熱へ戻る。
  • 高熱時でも感染症特有の関節痛、強い悪寒、激しい咽頭痛などを伴わない。
  • 血液検査を行っても、炎症マーカー(CRP、赤血球沈降速度)が完全に正常範囲内にとどまる。

真面目で責任感が強く、自分の疲労や心理的葛藤を無意識に抑圧してしまう人ほど、自律神経のバランスが破綻して体温中枢のコントロールを失いやすい傾向があります。熱の乱高下は、身体が心理的限界を知らせる最後の防衛反応である場合も少なくないのです。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。